自然農法で草木染めの染料や野菜を育てています

草木染めをより深く理解するために、染料となる植物も育ててみたい。5年前、近所の市民農園で畑を借りて、畑生活をスタートさせました。

誰に教わるでもなく、栽培方法や自然に関する本などを読みあさりながら、手探りで畑をはじめて今に至ります。チャレンジしては失敗の日々です。植物がうまく育たないこともタビタビです。だから無事に育ってくれると、とても嬉しい。夏の炎天下の畑作業も苦にならないのは、その喜びがあるからかもしれません。ご縁あって、今は南足柄市に広めの畑を借りています。そこで、藍やマリーゴールドなど、草木染めの染料となる植物を育ています。そのほかにも、普段自分たちが食べる野菜も育てています。

現在(9月末)、畑で育てている野菜は、大豆・オクラ・ゴーヤ・人参・大根・カブ・カボチャ・ジャガイモ・ラッキョウ・ブロッコリー・白菜・高菜などなど。いま収穫の最盛期を迎えているのが、なんとゴーヤ。ゴーヤは“夏の野菜”というイメージですが、ウチの畑では“秋の野菜”なんです。いくら早く種を蒔いても、夏には実が生らず、なぜか収穫は秋。とても強情なゴーヤです(笑)。ゴーヤに限らず、うちの野菜たちは成長がとてもゆっくりで、のんびり屋が多いです。

なぜのんびり屋が多いかと言うと、“自然農法”で育てているのが理由にあります。本来、野菜というのはゆっくり育つんです。肥料などを与えて急かして育てない。無理していないから、とても丈夫に育ちます。腐りにくい、日持ちがする、味が濃い、植物自体の寿命が長いので収穫時期が長い、など。のんびり屋にはたくさんの長所があります。

畑にいて植物たちを見ていると、人の生活も、もっとゆっくりで良いような…という気がしてきます。そっちの方が、長い目で見れば、野菜と同じでたくさんの美点がある気がするのです。

 

借りた当時の畑の様子
借りた当時の畑の様子